映画『となりのトトロ』に登場する サツキのお弁当 レシピ
はじめに
宮崎駿監督の不朽の名作、映画『となりのトトロ』。この作品には、見る人の心を温かくする、印象的な食事のシーンが数多く登場します。中でも、サツキがお父さんとメイのために作るお弁当は、素朴でありながらも大変美味しそうに見え、多くの観客の心に残っています。
このお弁当は、物語の中でサツキが家族のために心を込めて作る様子が描かれ、その愛情が詰まった見た目は、日本の家庭料理の温かさを感じさせます。今回は、映画に登場するサツキのお弁当を、ご家庭で再現するためのレシピをご紹介いたします。
材料
サツキのお弁当(大人1人分と子供1人分を想定)
- ご飯:茶碗軽く2杯分(約300g)
- 梅干し:2個
- おかか(かつお節と醤油を和えたもの):大さじ2程度
- かつお節:5g
- 醤油:小さじ1
- 砂糖(お好みで):ひとつまみ
- 鮭の塩焼き:1切れ(約50g)
- 卵焼き:卵1個分
- 卵:1個
- 砂糖:小さじ1/2
- 醤油:数滴
- 水:小さじ1
- サラダ油:少量
- 枝豆(鞘付き):5本程度
- お弁当箱:2個(大人用と子供用)
作り方
- おかかを作る:
- ボウルにかつお節を入れ、醤油と砂糖(お好みで)を加えてよく混ぜ合わせます。かつお節が調味料を吸ってしっとりすれば準備完了です。
- 鮭を焼く:
- 鮭に軽く塩を振ってから魚焼きグリルやフライパンで焼きます。皮目をこんがりと焼き、中まで火を通してください。焼けたら骨を取り除き、粗くほぐしておきます。
- 卵焼きを作る:
- ボウルに卵を割り入れ、砂糖、醤油、水を加えてよく混ぜます。卵焼き器を中火で熱し、サラダ油を薄くひきます。卵液を数回に分けて流し入れ、巻きながら焼いていきます。巻き終えたら粗熱を取り、お弁当箱のサイズに合わせて切ります。
- 枝豆を茹でる:
- 枝豆は鞘ごとよく洗い、鍋にたっぷりの湯を沸かして塩少々(分量外)を加え、表示通りに茹でます。茹で上がったらザルにあけ、粗熱を取ります。
- お弁当箱にご飯を詰める:
- お弁当箱にご飯を詰めます。大人用のお弁当箱には多めに、子供用には少なめに詰めます。ご飯の表面を平らにならします。
- 具材を詰める:
- ご飯の上に、梅干し、おかか、ほぐした鮭、切った卵焼き、枝豆を彩りよく配置します。映画のお弁当を参考に、おかず同士が隣り合うように隙間なく詰めると、より美味しそうに見えます。
より美味しく、写真映えさせるポイント
- 盛り付けの工夫: 映画のお弁当は、おかずがぎゅっと詰まっているのが特徴です。ご飯の上におかずを乗せる「のっけ弁」スタイルで、彩りよく配置すると、見た目が華やかになります。赤(梅干し、鮭)、茶色(おかか、卵焼き)、緑(枝豆)の色合いを意識してください。
- 卵焼き: 卵焼きは甘めが好きなら砂糖を増やしたり、出汁巻き風にしたい場合は水の代わりに出汁を使用したりするのも良いでしょう。焼き加減を調整して、ふっくらと仕上げると美味しそうに見えます。
- 鮭: 鮭は塩焼きが基本ですが、少し甘めの味付けで焼いたり、ご飯に混ぜ込んで「鮭ごはん」にするアレンジも考えられます。
- おかかの風味: かつお節は、削りたてのものを使用すると風味が格段に良くなります。醤油だけでなく、みりんを少量加えて甘みを足しても美味しいです。
映画と料理の背景(ネタバレ注意)
※本項目には映画のネタバレが含まれます。
サツキのお弁当は、物語の中盤、サツキが病気のお母さんを見舞うため、妹のメイを連れて病院へ行く道中で登場します。お弁当を開けたサツキとメイが、木陰で美味しそうに頬張るシーンは、二人の健気さや姉妹の絆を感じさせます。
このお弁当は、引っ越してきたばかりの家で、まだ十分に生活が整っていない状況の中、長女であるサツキがお母さんの代わりに家族のために作ったものです。豪華な料理ではありませんが、限られた材料の中で精一杯工夫し、家族への愛情を形にした温かい食事として描かれています。特に、子供心には少し大人びたサツキが、メイと一緒に無邪気にお弁当を食べる姿は印象的で、この食事が二人の心を強く支えているように見えます。梅干しが真ん中に乗った日の丸ご飯は、日本の家庭料理の原風景とも言えるでしょう。
まとめ
映画『となりのトトロ』に登場するサツキのお弁当は、見た目の素朴さの中に、家族への深い愛情と温かさが込められた食事です。今回ご紹介したレシピを参考に、ぜひご家庭でこの懐かしくて美味しそうなお弁当を再現してみてください。
物語の世界に思いを馳せながら、丁寧に作ったお弁当を味わう時間は、映画を観た時とはまた違った豊かな体験になるはずです。映画ごはんを作ることを通して、作品への理解や愛情がさらに深まることを願っております。