映画『プリンセスと魔法のキス』に登場する ベニエ レシピ
はじめに
今回ご紹介する映画ごはんは、ディズニー映画『プリンセスと魔法のキス』に登場する「ベニエ」です。主人公ティアナの母親が作る、粉砂糖をたっぷりまとった四角い揚げ菓子。フレンチクオーターのカフェで出されるこのベニエは、画面越しにも伝わるサクサクふわふわの食感が大変美味しそうに見えます。
ティアナにとって、このベニエは亡き父との思い出が詰まった特別な料理です。家族で囲む食卓の温かさや、ティアナの持つ「いつか自分のレストランを開く」という大きな夢の象徴として、映画の随所に登場し、観る者の心に温かい印象を残します。この記事では、そんな思い出深いベニエを、ご家庭で手軽に再現するためのレシピをご紹介します。
材料
(約20個分)
- 強力粉:100g
- 薄力粉:150g
- 砂糖:大さじ2
- 塩:小さじ1/2
- ドライイースト:小さじ1
- 牛乳(ぬるま湯程度に温める):200ml
- 卵:1個
- 無塩バター(溶かす):20g
- 揚げ油:適量
- 粉砂糖:適量(たっぷり)
作り方
- ボウルに強力粉、薄力粉、砂糖、塩、ドライイーストを入れ、泡立て器などで軽く混ぜ合わせます。
- 別のボウルにぬるま湯程度の牛乳と卵を入れてよく混ぜ合わせます。ここに溶かしバターを加えて混ぜます。
- 1の粉類の中央にくぼみを作り、2の液体を一度に加えます。木べらやゴムべらで、粉っぽさがなくなるまで混ぜ合わせます。はじめはまとまりにくいですが、捏ねる必要はありません。
- 生地がまとまったらボウルに移し、ラップをかけて温かい場所で一次発酵させます。生地が約2倍の大きさになるまで、約60分が目安です。温度が低い場合はもう少し時間がかかります。
- 発酵が終わったら、打ち粉(分量外の強力粉)をした台の上に生地を取り出し、優しく押さえて中のガスを抜きます。
- 生地をめん棒で約1cm厚さの四角形に伸ばします。スケッパーや包丁で、約5cm角の四角に切り分けます。この際、多少いびつでも問題ありません。
- オーブンシートなどを敷いたバットに生地を並べ、乾燥しないようにラップをかけて、暖かい場所で約10分二次発酵させます。
- 揚げ油を170℃に温めます。生地を傷つけないように優しく油に入れ、片面がきつね色になるまで揚げます。
- 裏返してもう片面も同様に揚げます。きつね色になったら油から取り出し、網などの上で油を切ります。一度にたくさん揚げすぎると油の温度が下がるため、数個ずつ揚げるのがおすすめです。
- 揚げたてのベニエが熱いうちに、網の上に乗せたまま粉砂糖を茶こしなどでまんべんなく、たっぷりとかけて完成です。
より美味しく、写真映えさせるポイント
- ベニエは揚げたてが一番美味しいです。粉砂糖は熱いうちにかけることで生地に馴染み、見た目も美しく仕上がります。映画のように山盛りに粉砂糖をかけると、より雰囲気が出ます。
- 揚げ油の温度を一定に保つことが、サクサクの食感に仕上げる重要なポイントです。揚げている間に温度が下がりすぎないよう注意してください。
- ニューオーリンズスタイルのカフェオレや、温かいコーヒーと一緒にいただくと、映画のシーンをより楽しむことができます。チョコレートソースやフルーツジャムなどを添えても美味しいです。
映画と料理の背景(ネタバレ注意)
※本項目には映画のネタバレが含まれます。
『プリンセスと魔法のキス』のベニエは、主人公ティアナの「夢」と深く結びついています。ベニエ作りは、亡き父とティアナにとって大切な時間でした。父はティアナに「どんな夢も、努力すれば叶う」と語りかけ、いつか一緒にレストランを開くことを夢見ていました。ティアナはその夢を父から受け継ぎ、懸命に働き続けます。
映画の冒頭では、ティアナが働くレストランで常連客が「ティアナのベニエが食べたい」と言うシーンがあり、彼女のベニエが評判になっていることが分かります。ベニエは単なるお菓子ではなく、ティアナの料理の腕前、そして亡き父への思いと自身の夢への強い意志を象徴する存在として描かれています。物語の終盤、夢を叶えたティアナが自分のレストランでベニエを振る舞うシーンは、観る者に大きな感動を与えます。ベニエを作ることは、ティアナにとって、父との絆を感じ、自身の夢を追い続けるための大切な営みだったのです。
まとめ
『プリンセスと魔法のキス』のベニエは、サクサクふわふわの食感と粉砂糖の優しい甘さが魅力の揚げ菓子です。ご家庭で揚げたてのベニエを作り、粉砂糖をたっぷりとかければ、映画のあの美味しそうなシーンを再現することができます。
ティアナのように、大切な人との思い出や、自分の夢を思い描きながらベニエを作ってみてはいかがでしょうか。熱々のベニエを頬張れば、きっと映画の世界に心地よく浸ることができるはずです。ぜひ挑戦してみてください。