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映画『魔女の宅急便』に登場する ニシンのパイ レシピ

Tags: 魔女の宅急便, ニシンのパイ, 映画ごはん, レシピ, ジブリ

はじめに

スタジオジブリ制作の映画『魔女の宅急便』に登場する料理の中で、特に印象深いものの一つに「ニシンのパイ」があります。主人公のキキが依頼を受けて、雨の中を届けにいくあのパイです。表面にニシンの飾りがあしらわれた、香ばしく焼き上がったパイは、画面越しにもその温かさや香りが伝わってくるような、魅力的な見た目をしています。

本記事では、この映画に登場するニシンのパイを、ご家庭で再現するためのレシピをご紹介します。ぜひ挑戦して、映画の世界観を感じてみてください。

材料

(18cmパイ皿 1台分)

作り方

  1. 下準備をする

    • 冷凍パイシートは、使う10分〜15分前に冷凍庫から出し、少し柔らかくしておきます。
    • じゃがいもは皮をむき、1cm角に切ります。玉ねぎはみじん切りにします。
    • ニシン(燻製の場合は骨を取り除き、粗くほぐす。缶詰の場合は汁気を軽く切る)を粗くほぐしておきます。
    • オーブンを200℃に予熱しておきます。
  2. じゃがいもと玉ねぎを炒める

    • フライパンにバターを熱し、玉ねぎを加えてしんなりするまで中火で炒めます。
    • じゃがいもを加えて軽く炒め合わせます。
  3. ホワイトソースを作る

    • ②のフライパンに薄力粉を振り入れ、粉っぽさがなくなるまで全体を混ぜながら炒めます。
    • 牛乳を少しずつ加えながら、ダマにならないようによく混ぜていきます。なめらかになったらコンソメ顆粒、塩、こしょうで味を調えます。とろみがつくまで混ぜながら加熱します。
  4. 具材を合わせる

    • ③のホワイトソースに①でほぐしておいたニシンを加えて混ぜ合わせます。これがパイの中に入れるフィリングになります。
  5. パイ生地を準備する

    • 打ち粉を軽く振った台の上にパイシートを広げ、めん棒でパイ皿より一回り大きいサイズに伸ばします。1枚はパイ皿の底面と側面を覆う用、もう1枚は蓋用と飾り用にします。
    • パイ皿の底面と側面に、伸ばしたパイシート1枚を敷き込み、余分な部分は切り落とします。底面にフォークで数カ所穴を開けます(ピケ)。
  6. フィリングを詰める

    • ⑤のパイ皿に④のフィリングを流し入れ、表面を平らにならします。
  7. 蓋と飾りをつける

    • もう1枚のパイシートをフィリングの上に被せる蓋用の形にカットします。残った生地で、映画のパイのように魚の形や葉っぱの形などの飾りを作ります。
    • 蓋用のパイシートをフィリングの上に被せ、下の生地と縁をしっかりと閉じ合わせます。余分な生地は切り落とします。
    • パイの表面に、水(分量外)を少量つけた飾りを配置します。
  8. 焼き上げる

    • 表面に卵黄を刷毛で丁寧に塗ります。
    • 200℃に予熱したオーブンで20分〜25分、またはパイ生地がきつね色になり、膨らむまで焼き上げます。焼き色がつきすぎる場合は、途中でアルミホイルを被せてください。
  9. 完成

    • 焼きあがったらオーブンから取り出し、粗熱をとってから切り分けてお召し上がりください。

より美味しく、写真映えさせるポイント

映画と料理の背景(ネタバレ注意)

※本項目には映画のネタバレが含まれます。

このニシンのパイは、主人公の魔女・キキが初めて本格的なお届けものとして依頼された料理です。老婦人が孫娘の誕生日のために焼いてほしいと頼み、キキは雨風の強い悪天候の中、懸命にパイを届けます。しかし、受け取った孫娘は「私、このパイ嫌いなのよね」と素っ気ない反応を示し、キキは深く傷つきます。

このシーンは、キキが初めて直面する仕事の厳しさや、自分の届けたものが必ずしも相手に喜ばれるとは限らない現実を突きつけられる重要な場面です。料理自体の「美味しそう」な見た目とは裏腹に、受け取る側の複雑な感情が描かれており、単なる食事シーンとしてだけでなく、物語におけるキキの成長や葛藤を示す象徴的なアイテムとして描かれています。このパイを通して、キキは働くことの喜びと難しさを学び、少しずつ大人への階段を登っていきます。

まとめ

映画『魔女の宅急便』に登場するニシンのパイは、見た目の可愛らしさと、物語における深い意味合いを持つ、魅力的な料理です。

今回ご紹介したレシピで、あの美味しそうなパイをぜひご自宅で再現してみてください。パイ生地の香ばしい香りや、フィリングの優しい味わいは、きっと作る過程も食べる時間も楽しいものにしてくれるでしょう。

料理を通して、改めて映画のシーンに思いを馳せてみるのも素敵な時間となるはずです。