映画『リトル・フォレスト 冬春』に登場する ぜんざい レシピ
はじめに
映画『リトル・フォレスト 冬春』には、東北の厳しい冬と向き合う主人公いち子の暮らしが描かれています。その中で登場する様々な手作りの料理の中でも、温かさと優しさを感じさせるのがぜんざいです。雪深い景色の中で、炊きたてのぜんざいを囲むシーンは、観る者の心に染み入るものがあります。素朴でありながらも、小豆のつややかな赤と、ふっくらと焼き目のついたお餅の組み合わせは、見た目にも非常に美味しそうに映ります。ここでは、この心温まるぜんざいを家庭で再現するためのレシピをご紹介いたします。
材料
(作りやすい分量)
- 乾燥小豆:150g
- 砂糖:80g〜100g(お好みに合わせて調整)
- 塩:ひとつまみ
- 水:適量(小豆を煮るため、最初はたっぷりと)
- 餅:お好みの数(または白玉団子など)
作り方
- 小豆を洗う: 乾燥小豆はやさしく洗い、ざるにあげます。
- 下ゆで(渋切り): 鍋に洗った小豆と小豆の3倍程度のたっぷりの水を入れ、強火にかけます。沸騰したらそのまま3分ほど煮て、一度ざるにあけて煮汁を捨てます。この工程で小豆の渋みを取り除きます。
- 本煮込み: 再び鍋に小豆を戻し入れ、今度は小豆の3倍程度の新しい水を加えます。再び強火にかけ、沸騰したら弱火にし、蓋をして小豆が柔らかくなるまで煮込みます。途中、煮汁が少なくなってきたら、小豆がかぶるくらいに水を足してください。目安として、指で潰せるくらい柔らかくなるまで1時間〜1時間半ほどかかります。
- 砂糖を加える: 小豆が十分に柔らかくなったら、砂糖を数回に分けて加えます。一度にたくさん入れると小豆の皮が硬くなることがあるためです。砂糖を加えても焦げ付かないように、時々鍋底から優しく混ぜてください。
- 塩で味を調える: 砂糖が全体に馴染んだら、塩をひとつまみ加えます。塩を加えることで、ぜんざいの甘さが引き立ち、味がぐっと締まります。
- 餅を準備する: ぜんざいが煮上がったら、別にお餅を焼くか、または熱湯で茹でます。焼き餅にする場合は、オーブントースターやフライパンで表面に美味しそうな焼き色がつくまで焼いてください。
- 盛り付け: 温かいぜんざりを器によそい、焼き立てのお餅を乗せれば完成です。
より美味しく、写真映えさせるポイント
- ぜんざいを盛り付ける器は、素朴な湯呑みや小鉢を選ぶと、映画のような雰囲気を出しやすくなります。
- お餅は、表面にこんがりと焼き色をつけると香ばしさが加わり、見た目も引き立ちます。少し焦げ目がつくくらいがおすすめです。
- お好みで、仕上げに栗の甘露煮や白玉団子を添えると、彩りが豊かになり、より豪華な印象になります。
- 本編では塩は添えられていませんでしたが、少しの塩を添えることで、味の変化を楽しむことができます。
映画と料理の背景(ネタバレ注意)
※本項目には映画のネタバレが含まれます。
映画『リトル・フォレスト 冬春』に登場するぜんざいは、厳しい冬の寒さをしのぐための温かい食べ物として描かれています。主人公いち子が、雪景色の中で黙々と小豆を煮るシーンは、自給自足に近い生活の中で、自然の恵みを大切にする姿勢を表しています。このぜんざいは、単なる食事ではなく、冬の間に蓄えた小豆という恵み、そしてそれを丁寧に調理する時間そのものが、いち子の生活の一部であり、心の拠り所であることを示唆しています。温かいぜんざいを口にすることで、身体だけでなく心も温まり、厳しい冬を乗り越える力を得る様子が描かれています。
まとめ
映画『リトル・フォレスト 冬春』に登場するぜんざいは、冬の静寂と寒さの中に温かさと希望を感じさせる一品です。ご家庭で手作りするぜんざいは、市販のものとは一味違う、小豆本来の風味や、砂糖や塩加減を自分好みに調整できる楽しさがあります。このレシピを参考に、ぜひご自身でぜんざいを作ってみてください。温かいぜんざいを味わいながら、映画の世界に思いを馳せてみるのも良いかもしれません。