映画『ホノカアボーイ』に登場する マラサダ レシピ
はじめに
映画『ホノカアボーイ』をご覧になった方にとって、忘れられない味覚の記憶として残っているのが、ハワイの揚げパン、マラサダではないでしょうか。主人公が初めてホノカアの町に降り立ち、映画館のおばあから受け取るあたたかいマラサダのシーンは、物語の始まりを印象づける、素朴でありながらも「美味しそう」な場面です。
揚げたての生地にまぶされたグラニュー糖が光り、ふっくらとした見た目は、観る者の食欲をそそります。今回は、この映画に登場するマラサダを、ご家庭でも簡単に再現するためのレシピをご紹介いたします。
材料
(約8個分)
- 強力粉:100g
- 薄力粉:50g
- インスタントドライイースト:3g
- 砂糖:20g
- 塩:ひとつまみ
- 卵:1個(Mサイズ)
- 牛乳(人肌に温める):70ml
- 無塩バター(室温に戻す):15g
- 揚げ油:適量
- グラニュー糖:適量(まぶす用)
作り方
- ボウルに強力粉、薄力粉、インスタントドライイースト、砂糖、塩を入れ、泡立て器などで軽く混ぜ合わせます。
- 別のボウルに卵を割り入れ、溶きほぐします。そこへ人肌に温めた牛乳を加え、混ぜ合わせます。
- 1の粉類の中央にくぼみを作り、2の液体を一度に注ぎ入れます。ゴムベラなどで粉気がなくなるまで混ぜ合わせます。
- 生地がまとまってきたら台の上に取り出し、なめらかになるまで捏ねます。生地が手にくっつく場合は、少量打ち粉(分量外の強力粉)を使用しても構いません。
- 生地がある程度まとまったら、室温に戻しておいた無塩バターを生地に塗り広げるようにしながら、さらに捏ね込みます。バターが完全に生地になじみ、表面がつるんとなめらかになるまでしっかりと捏ねてください。
- 生地を丸くまとめ、薄く油(分量外)を塗ったボウルに入れます。乾燥しないようにラップをかけ、温かい場所(30℃〜35℃程度)で生地が約2倍の大きさになるまで一次発酵させます。発酵時間の目安は40分〜60分程度ですが、温度によって変動しますので、生地の大きさを目安にしてください。
- 一次発酵が終わった生地を台に取り出し、優しく手で押さえてガスを抜きます。生地を8等分にし、それぞれを丸く整えます。丸めた生地をオーブンシートなどの上に間隔をあけて並べます。
- 生地が乾燥しないようにラップをかけ、再び温かい場所で約15分〜20分、二次発酵させます。少しふっくらする程度で十分です。
- 揚げ油を鍋に入れ、170℃に温めます。温度計を使用すると正確に管理できます。
- 二次発酵が終わった生地を、そっと油の中に投入します。一度にたくさん入れると油の温度が下がるため、鍋の大きさに応じて2〜3個ずつ揚げるのがおすすめです。
- 片面がきつね色になったら裏返し、もう片面もきつね色になるまで揚げます。中心まで火が通るように、焦げ付きそうなら火力を調整してください。
- 揚がったマラサダは、キッチンペーパーなどの上で余分な油を切ります。
- 熱々のうちに、バットや平たい皿に広げたグラニュー糖の中に転がし、全体にしっかりとグラニュー糖をまぶして完成です。
より美味しく、写真映えさせるポイント
揚げたて熱々にグラニュー糖をまぶすことが、マラサダの美味しさを最大限に引き出すポイントです。グラニュー糖が溶けかかり、生地に馴染む様子が「美味しそう」な見た目を演出します。
盛り付けは、シンプルにお皿に数個並べるだけで十分雰囲気が出ます。映画のシーンのように、紙袋に入れてみるのも良いかもしれません。お好みでシナモンシュガーに変えたり、中にクリームを詰めたりとアレンジも楽しめます。
映画と料理の背景(ネタバレ注意)
※本項目には映画のネタバレが含まれます。
映画『ホノカアボーイ』におけるマラサダは、単なる食べ物以上の意味を持っています。主人公レオがホノカアに馴染んでいく過程で、映画館のおばあエデリーとの交流を深めるきっかけとなります。エデリーが作る温かいマラサダは、ホノカアの町そのものの温かさや、人々の優しさを象徴する存在と言えるでしょう。また、主人公が旅の目的を見失いかけた時に、マラサダの味やエデリーの存在が彼を支え、内省を促す重要な要素にもなります。マラサダを食べるシーンは、主人公がホノカアという土地やそこに暮らす人々と心を通わせていく過程を静かに描いています。
まとめ
映画『ホノカアボーイ』に登場するマラサダは、そのシンプルながらも温かい存在感が印象的な料理です。ご家庭で作る揚げたてのマラサダは、映画の世界に思いを馳せる特別な体験となるでしょう。少し手間はかかりますが、出来上がりの美味しさは格別です。ぜひ、映画を鑑賞しながら、または鑑賞後に、このマラサダ作りに挑戦してみてください。きっと、ホノカアの風を感じるような、素朴で優しい味わいに出会えるはずです。