映画『花束みたいな恋をした』に登場する カルボナーラ レシピ
はじめに
「美味しそう!映画ごはん」へようこそ。このサイトでは、心に残る映画の食事シーンに登場する、見た目にも美味しい料理のレシピをご紹介しています。
今回は、多くの人の共感を呼んだ映画『花束みたいな恋をした』に登場する、手作りカルボナーラを取り上げます。物語の序盤、新しい生活の始まりを祝う「引っ越しそば」ならぬ「引っ越しパスタ」として、主人公の麦と絹が協力して作るこのカルボナーラは、二人の瑞々しい関係性と共に強く印象に残ります。湯気立つパスタにクリーミーなソースが絡む様子は、まさに「美味しそう!」の一言です。
このカルボナーラは、特別な材料や技術がなくても家庭で美味しく再現できます。映画の世界に思いを馳せながら、ぜひ挑戦してみてください。
材料
(2人分)
- パスタ(スパゲッティ):200g
- ベーコン(ブロックまたは厚切り):80g
- 卵:2個(卵黄と卵白に分ける)
- パルミジャーノ・レッジャーノ(すりおろし):大さじ4
- 市販の粉チーズでも代用可能ですが、本格的な風味にはパルミジャーノ・レッジャーノがおすすめです。
- 生クリーム:大さじ3
- 乳脂肪分35%程度のものがおすすめです。
- オリーブオイル:大さじ1
- 黒胡椒(粗挽き):適量
- 塩:適量(パスタを茹でる用)
作り方
映画のシーンを思い出しながら、美味しいカルボナーラを作ってみましょう。
- パスタを茹でるお湯を準備する 鍋にたっぷりの水(パスタ100gにつき1リットル以上が目安)を入れ、火にかけます。沸騰したら、水の量の1%程度の塩(水2リットルなら塩20g)を加えます。
- ベーコンを準備する ベーコンを1cm幅に切ります。フライパンにオリーブオイルを熱し、ベーコンを入れて中火でじっくり炒めます。カリカリになるまで炒めると香ばしさが増しますが、お好みの加減で構いません。ベーコンから出た脂はソースに旨味を加えるため、そのままにしておきます。
- ソースの準備をする
ボウルに卵黄2個分、卵白1個分、すりおろしたパルミジャーノ・レッジャーノ(または粉チーズ)、生クリームを入れます。泡立て器などで、全体が滑らかになるまでよく混ぜ合わせます。この時、白っぽくなるまでしっかり混ぜる必要はありません。軽く混ぜ合わせる程度で大丈夫です。
- 卵白を全て入れるとソースが重くなりすぎるため、1個分のみ使用することをおすすめします。
- パスタを茹でる 塩を加えた熱湯にパスタを入れます。袋の表示時間より1分程度短めに茹でてください。後でソースと和える際に火が入るため、少し硬めに茹でるのがポイントです。
- ソースとパスタを絡める
ベーコンを炒めたフライパンの火を止めます。茹で上がったパスタをトングなどで直接フライパンに移します。この時、パスタの茹で汁を少量(お玉1/2杯程度)フライパンに加えます。
ベーコンとパスタを軽く混ぜたら、火を止めたままのフライパンに、手順3で混ぜておいたソースを一気に加えます。菜箸やトングで手早く全体を混ぜ合わせます。
- ここが失敗しない最大のポイントです! フライパンを火からおろし、余熱だけでソースを絡めることで、卵が固まってボソボソになるのを防ぎます。
- ソースが固すぎる場合は、パスタの茹で汁を少量ずつ加えながら、お好みの濃度に調整してください。
- 仕上げ 全体にソースが均一に絡まったら、お皿に盛り付けます。仕上げに粗挽き黒胡椒をたっぷり振りかけ、お好みで追加のパルミジャーノ・レッジャーノ(または粉チーズ)を振ると、より本格的で美味しそうな見た目になります。
より美味しく、写真映えさせるポイント
- 盛り付け: パスタを高く盛り付け、ベーコンが上に見えるように配置すると立体感が出ます。最後に黒胡椒を惜しみなく振りかけるのが、カルボナーラらしい「美味しそう!」な見た目の秘訣です。パセリのみじん切りを少し散らすと彩りが良くなります。
- 使用するチーズ: 可能であれば、ブロックのパルミジャーノ・レッジャーノを購入し、食べる直前にすりおろすのがおすすめです。香りが格段に豊かになります。
- ベーコン: 薄切りよりも厚切りやブロックのベーコンを使うと、食べ応えがあり、見た目も豪華になります。カリカリに炒めるか、もちっと感を残すかで食感が変わるので、お好みで調整してください。
映画と料理の背景
※本項目には映画のネタバレが含まれます。
映画『花束みたいな恋をした』の中で、このカルボナーラは二人の新しい生活の始まり、そして共同作業の象徴として描かれています。引っ越し後の段ボールに囲まれた部屋で、手際の良い絹に対して、慣れない手つきでベーコンを切る麦。二人で協力して作り上げたカルボナーラを美味しそうに食べるシーンは、これから始まる未来への希望と、共に歩むことへの喜びを感じさせます。
しかし、物語が進むにつれて、二人の関係性や価値観は少しずつ変化していきます。日常の中で料理をする機会が減ったり、同じ食卓を囲む時間が少なくなったりと、このカルボナーラを作った頃とは状況が変わっていく様子が描かれます。このカルボナーラは、二人の関係性が最も輝いていた時期の、甘く、少し不安定な記憶として、観る者の心に残るのかもしれません。手作り料理が、単なる食事ではなく、二人の関係性や時間の流れを映し出す鏡として機能している点に、映画の深みを感じることができます。
まとめ
映画『花束みたいな恋をした』のカルボナーラは、二人の始まりを彩る、温かく美味しそうな一皿でした。一見シンプルに見えるカルボナーラですが、卵とチーズを火で固まらせないようにする工程には少しだけコツが必要です。しかし、今回ご紹介したように火を止めてから手早く混ぜる方法を実践すれば、料理初心者の方でもクリーミーで美味しいカルボナーラを完成させることができます。
ぜひ、映画の世界に浸りながら、あの印象的なカルボナーラをご自身のキッチンで再現してみてください。大切な人と一緒に作って食べるのも、映画のワンシーンのようで素敵かもしれません。料理を通して、お気に入りの映画をより深く、五感で楽しんでいただけたら嬉しく思います。