映画『かもめ食堂』に登場する 唐揚げ レシピ
はじめに
映画『かもめ食堂』は、フィンランドのヘルシンキを舞台に、日本人女性サチエが営む小さな食堂での日々を描いた作品です。この映画には、見る人の心とお腹を満たすような、素朴で温かい料理がたくさん登場します。
その中でも、特に印象深い一品が「唐揚げ」です。常連客に振る舞われるこの唐揚げは、特別な飾り気はありませんが、サチエさんの丁寧な仕事ぶりが感じられ、画面越しにもその美味しさが伝わってきます。外はカリッと揚がり、中はジューシーな様子は、多くの観客にとって忘れられない「映画ごはん」の一つと言えるでしょう。今回は、そんな『かもめ食堂』の唐揚げを、ご家庭で簡単に再現するためのレシピをご紹介します。
材料
(2人分)
- 鶏もも肉:1枚(約300g)
- 醤油:大さじ2
- 酒:大さじ1
- みりん:大さじ1
- おろし生姜:小さじ1
- おろしにんにく:小さじ1/2
- 片栗粉:大さじ4
- 薄力粉:大さじ2
- 揚げ油:適量
作り方
- 鶏もも肉は余分な脂肪を取り除き、一口大(3〜4cm角程度)に切ります。厚みがある部分は開き、均一な大きさにすると火の通りが均一になります。
- ボウルに醤油、酒、みりん、おろし生姜、おろしにんにくを合わせ、混ぜ合わせます。ここに切った鶏肉を加え、全体に味がなじむようによく揉み込みます。ラップをして冷蔵庫で15〜20分程度漬け込みます。長時間漬け込みすぎると肉質が硬くなることがあるため注意が必要です。
- 別のボウルに片栗粉と薄力粉を混ぜ合わせます。この配合にすることで、外側はカリッと、中はふっくらとした食感に仕上がります。薄力粉を米粉に置き換えると、よりカリッとした食感になります。
- 漬け込んだ鶏肉に、手順3で混ぜ合わせた粉をしっかりとまぶします。余分な粉は軽く払い落とします。粉をしっかりとまぶすことで、揚げた時に衣が剥がれにくくなります。
- 揚げ油を鍋に入れ、170℃に熱します。菜箸を入れたときに細かい泡がシュワシュワと上がるのが目安です。
- 鶏肉を鍋に入れ、一度にたくさん入れすぎず、鍋の中で重ならないように注意します。入れすぎると油の温度が下がり、べたつきの原因となります。
- 片面がきつね色になったら裏返します。全体がきつね色になり、火が通るまで5分ほど揚げます。一度網などに引き上げ、油を切ります。
- 油の温度を180℃に上げます。揚げておいた唐揚げを再び鍋に戻し、1〜2分程度、表面がカリッとするまで二度揚げします。二度揚げすることで、衣がより香ばしく、中の肉はジューシーに仕上がります。
- 揚がった唐揚げは網に取り出し、しっかりと油を切って完成です。
より美味しく、写真映えさせるポイント
- 揚げたての唐揚げを器に盛り付ける際は、レタスやパセリなどの緑色の葉物野菜を添えると、彩りが良くなり見た目が鮮やかになります。
- カットしたレモンを添えるのもおすすめです。食べる直前にレモンを絞ると、さっぱりとして唐揚げの美味しさを引き立てます。
- シンプルな唐揚げなので、お好みでマヨネーズや七味唐辛子などを添えて、味の変化を楽しむこともできます。映画のように、白いご飯と一緒にいただくのも格別です。
映画と料理の背景(ネタバレ注意)
※本項目には映画のネタバレが含まれます。
『かもめ食堂』に登場する唐揚げは、主人公サチエさんの食堂が、初めはなかなかお客さんが入らない状態から、少しずつ常連客が増えていく過程で登場します。特に、マサコさんが加わり、食堂に活気が出てきた頃に、フィンランド人のお客さんにも美味しいと評判になるシーンが印象的です。
この唐揚げは、日本の家庭料理の定番であり、多くの人にとって馴染み深い料理です。異国の地で、日本人であるサチエさんが作るこの唐揚げは、単なる料理としてだけでなく、故郷の味、安心感、そして人との繋がりを象徴しているように感じられます。シンプルな料理が、国境を越えて人々の心を掴む様子は、映画のテーマの一つである「人と人との温かい交流」を表現する大切な要素となっています。唐揚げを揚げる音や、お客さんが美味しそうに食べる姿は、観る人に穏やかな幸福感を与えてくれるでしょう。
まとめ
映画『かもめ食堂』の唐揚げは、派手さはありませんが、丁寧に作られた温かさが伝わる一品です。このレシピを参考に、ご自宅で『かもめ食堂』の世界を感じながら、シンプルで美味しい唐揚げ作りに挑戦してみてはいかがでしょうか。揚げたての唐揚げを口に運べば、きっと映画の温かい空気を感じることができるはずです。ぜひ、大切な人と一緒に楽しんでみてください。